山梨。心と空気の入れ替え。
2026.09.08
こんにちは。まりりんです。
最近、お天気が安定しない日が続いていますね。
週末は、「晴れるかな」「降るかな」と、ここ毎日、雨雲レーダーとにらめっこしています。
出かける予定があると、人は空を気にするものですね。
話は、二週間ほど前に戻ります。
休業中の母を連れて、山梨へ日帰りドライブに行ってきましたので、書籍な口調で紹介したいと思います。
—
富士山とアルプス山脈に囲まれた、のどかな田園が広がる韮崎。
そこは、祖母が老後を過ごした場所でもあります。
以前は、毎週のようにこの道を往復していました。
だから今回は、「久しぶりに、あの道を走ってみようか」と、私から母を誘ったのです。
朝、六時半。
母に起こされました。
まだ頭の中が半分眠っているまま、支度をして家を出ます。
山梨へ行くときは、早朝出発と決まっています。七時を過ぎると、一気に交通量が増えて、渋滞が始まるから。
最初の運転は母。私はまだ寝ぼけているのでダメです。
高速に乗って、ひとつめの石川SAでようやく運転を交代しました。
走り慣れた中央道。
母が選んだユーミンのBGM。もちろん、「中央フリーウェイ♪」です(笑)。
最後のトンネルを抜けるとき、その先に甲府盆地が、どーん、と広がります。
私は、この瞬間が好きです。それまで縮こまっていた視野が、一気に晴れていくような感じがするから。
もしかすると、景色そのものが変わったというより、自分のほうが少しだけ開いたのかもしれませんが。
この日の韮崎到着は、午前10時。天気は曇りでしたが、雨は降りませんでした。
クーラーもいらないほど涼しくて、むしろ快適です。
母と私には、山梨に来たときのお気に入りのコースがあります。
まず韮崎ICで高速を降りて、JA「よってけし韮崎店」へ直行。
地元の人たちに混ざって、新鮮な野菜を買います。
今の旬は、葡萄と梨。
店内の半分を占めるほど、たくさん並んでいました。
品種もいろいろ。生産者もそれぞれ違います。
一級品から家庭用まで、選び放題。
私は、その中から、とっておきの宝石みたいな巨峰を一房選びました。
「これにしよう」
そうして母と二人、大満足の買い物を済ませました。
その足で、地元の老舗うなぎ屋さん「八嶋」へ向かいます。
ところが、ここでひとつ失敗しました。
大抵は予約でいっぱいになる地元の人気店。この日も例外ではありませんでした。夏休み最終日ということもあって、満席。
入ることができません。
以前よく訪れていたころは、母が必ず予約の電話を入れてくれていました。そのことを、私はすっかり忘れていたのです。
残念な気持ちが少し、けれどそれと同じくらいに、母がよくそういう手配をしてくれていたことにも気づき、感謝もしました。
次は私が予約しとこう。
気を取り直して、ランチの第二候補へ向かうことにしました。
20分ほど、甲州街道を走ります。山と川に沿って、ひたすらまっすぐ。
そして着いたのが、道の駅はくしゅう。
ここは、あの白州の天然水を24時間、好きなだけ汲むことができる、なんとも素晴らしい道の駅です。
建物の入り口の前には、きれいに整えられた小川が流れています。
気持ち良さそうに水浴びをする犬や、トンボを追いかけて遊ぶ子どもたち。そして中央の水汲み場には、大きなポリタンクを両手に三つも四つも抱えてきて、めいっぱい水を汲んでいく人たち。
その光景を見て「みんな、それぞれの一番素敵な一日を過ごしているな」と考えながら。
そんな平和な景色を横目にしながら、私と母は店内のレストランへ。
お目当てのランチです。
ご当地のおざらも捨てがたい。でも、ここではやっぱり、地元野菜の天丼です。
かもしか食堂の地元野菜の天丼。丼、と呼ぶには、天ぷらの量があまりにも多い。ご飯が足りなくなるくらいです。
地元野菜ならではのズッキーニの花の天ぷら。とれたてのとうもろこし。そのほかにも、見慣れない野菜がぎっしり。
「これは何だろう」
「こっちは何かな」
そんなことを母と話しながら食べる時間が、いいのです。
料理そのものももちろん美味しい。何だろうと話しながら食べる時間も、旅の一部。
両方叶えられて、文句なしです。
それにしても、この量を母が食べ切れているのが不思議ですが。
お腹が満たされた私たちは、お店を出ました。
そして、さっき通り過ぎた水汲み場へ。行きがけに買った、あの宝石みたいな葡萄を洗います。白州の水で葡萄を洗って、そのまま食後のデザートにしました。
水を汲んでいたおじさんが、ちょっと羨ましそうにこちらを見ていたことには、気づいていました。
……たぶん。
さて。
ここからが、山梨らしいところです。
道の駅はくしゅうを後にして、というか、ほとんど横にして、
お隣のワイナリー「シャルマンワイン」へ立ち寄りました。
大きな葡萄園のすぐ横にあるワイナリーです。
貴重なワインが保管されている地下貯蔵庫を見学できるというので、母と行ってみることにしました。
一段一段、高さの違う石を削った階段を、転びそうになりながら降りていきます。
そして、地下へ。
しーん、としています。薄暗くて、ひんやりしている。
「ちょっと怖い」
母がそう言いました。
たしかに、地下は重厚で、雰囲気のあるセラーでした。
大きな樽が、ゴロゴロと並んでいます。棚にはボトルがぎっしり。距離は短いけれど奥まで続く通路。
壁には、「No.3」と鉄板で作られた、部屋番号のようなプレートがあります。その壁の、腰より少し下くらいの高さに、直径30センチほどの穴が開いていました。
何だろう。覗いてみます。
すると、その向こうには、きれいなタイル張りの小部屋がありました。
でも、ドアがありません。
いったい、ここは何だったのでしょう。何に使われていたのでしょうか。ガイドがいないので、答えはわかりません。
想像が膨らみます。
知らないものを、知らないまま眺める。そんな時間も、結構おもしろい。
私には案外落ち着く空間でした。ただ、母のために、少し早足で地上へ戻ります。
また階段に躓きそうになりながら、「よいしょ」と上がりました。
ショップでは、甲州葡萄だけにこだわって作ったというワインを一本、お土産に。
外へ出ると、畑には葡萄が鈴なりになっていました。
洋風の建物と葡萄畑。その向こうに広がる景色。異国に来たような気分になれるいい場所でした。
白州に行く人には、おすすめしようと思います。
そこから10分ほど、旧甲州街道の細道を進みました。そして、この旅でいちばんのお気に入りの蔵に到着です。
七賢、山梨銘醸。
この蔵を知ったのは、ずいぶん前のことです。
友人が「これ、美味しいよ」と、おすすめで買ってきてくれた「スパークリング日本酒」。それが、革命的に美味しかったんです。
それ以来、今では味を知らない銘柄は、最新作くらいです。
そしてここにも、古き良き建物が残っています。
水がおいしい。空気もおいしい。そんな場所だからか、つい長く居てしまう、魅惑の酒造です。
いや、酒造というより、大きな屋敷のようなものなのかもしれません。
明治天皇の行在所。米蔵の資料館。
そして、タンク貯蔵酒の保冷庫から見学できるツアーや、年に一度の「蔵開き」という大行事もあります。
この蔵は、いつ来ても大盛況ですよ。
母と私は、それぞれお気に入りの一本を抱えて、車へ向かいました。
「次は、お気に入りの八ヶ岳のパン屋さんだね」そう話しながら歩いていました。
そして、ふと時計を見ると、
14時半。
これは大変です。
山梨から帰るときは、14時には出ないといけません。
小仏トンネルあたりから、とてつもない長距離渋滞に巻き込まれてしまうからです。
さっきまで楽しみにしていたパン屋さんの誘惑は、一瞬で消えました。
私と母は急いで車に乗り込み、帰路につきます。
幸い、渋滞は一時間ほど。軽い渋滞で済みました。
それにしても。大した旅行ではありません。遠くへ出かけたとはいっても、日帰りです。
新鮮な野菜を買って。
美味しいと知ってる天丼を食べて。
ワインセラーでひんやり体験をして。
お気に入りの酒造に立ち寄る。
それだけです。
それでも、家から遠くへ出て、違う空気を感じると、やっぱり気分が晴れる気がします。
どうしてでしょうね。場所が変わったからでしょうか。
それとも、自分で動いて、行動したからでしょうか。
もしかすると、両方なのかもしれません。
自分で車を走らせて。自分で行きたい場所へ行って。自分の好きなものを見つけて。そんなことでも一つの達成感があるのかもしれません。
自分の好きな空気を、肺いっぱいに詰め込む。それだけでも、十分なのだと思います。
「また気軽に、ふらっと行こう。次は、パン屋さんにも寄れるように。」
次回の計画をしながら、母と私は山梨をあとにしました。
おしまい。
関連
登場できなかったお店↓

かもしか食堂の甲斐駒天丼。ボリューム大!お米は少なめ。(食べれるなら大盛りは無料🤣)

帰り道の富士山。雨予報でもいつも晴れる不思議なルート。

木漏れ日がいい感じのシャルマンワイン(ギャラリー棟)

世界的にも有名です。七賢
